薔薇のマリアが朝日新聞夕刊に掲載

2012-05-01 00.09.50

2012年4月28日朝日新聞夕刊より



みなさま!

わたしが普段からさんざんっぱら愛を叫んでいる「薔薇のマリア」ですが、
ななななんと新聞の本を紹介するコーナーに掲載されました!

ツイッターで一報を見かけたときは「信じないぞ…何故ならどっきりだったとしたらがっかりに耐えられないからだ…!」と疑心暗鬼の権化と成り果ててましたが、ほんとでした(´ω`)

気になるけど、朝日新聞じゃない!
薔薇のマリア大好きだからどうにかして読みたいけど、あ(ry
そんな方に朗報です。
図書館では新聞を数か月保存しているところがほとんどなので、図書館に行く際にはチェックしてみましょう!
(わたしの地元の図書館に問い合わせたところ、そこは2か月保存とのこと)

新聞発行の翌々日に早速図書館に行き、コピーしてきたのが↑の写真です^^
コピー機が白黒のみだったのが少し残念…
その後別の図書館にも行きましたが、そこもコピー機は白黒のみ。
もしかして、図書館のコピー機は皆白黒のみなんですかね!?


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記事の内容は、

ファンタジーといえば小説やらRPGやらありますが、最近はオンラインRPGが人気ですね。オンラインRPGは多くのプレーヤーが交流したり一緒に戦ったり“群集劇”的な内容が特徴ですよね。そんな群集劇的な面白さのあるライトノベルがこの薔薇のマリア!マリアが苦しみながらも自分の役割を見つけていくって内容だヨ!

こんな感じでした(要約してみましたが、違ったらごめんなさい\(^o^)/)

この作品の魅力である「キャラクター1人1人に物語があること」「マリアの悩みが多くの人に共感しえること」「奥がどこまでも深い設定・世界観」について、オンラインRPGを例にすることで分かりやすく、伝わりやすく解説されていたと思います。
オンラインRPGはやったことないのでその辺はよく分からないのですが(笑)
挿絵というか新聞に載せている小説が「Ver0」なところにも、ライターさんの作品への愛が伝わってきますね!最新刊である17巻でも、1巻でもなく、Ver0!個人的に一番良いなと思ったポイントがここでした。

新聞を読んだ人が1人でも多く、薔薇のマリアについて興味を持ってくれると嬉しいなぁー(´ω`)

【ネタバレ】十文字青「薔薇のマリア17.この痛みを抱えたまま僕らはいつまで」【閲覧注意】



4月1日発売ということでしたが、アマゾンでは3月31日発売でしたね!
ってことは30日にはフラゲできるんじゃ…?と思いましたが、わたしが探した範囲では見つかりませんでした(つд`)

というわけで、31日の閉店直前の本屋さんに駆け込んで、無事ゲット!
張り切って予約していたのに入荷の電話が来なかったのでちょっと不安でしたが…
っていうか、入荷したら電話くれるようお願いしたのに!頼むぜ●善さん!(隠れてない)

エルデン浮上により古代九頭竜の呪いがとけ、地上に凶悪な悪魔と異界生物どもがあふれだし、ついに災厄の時代が幕を開ける。しかし絶望的な状況でも、人間たちは各地で悪魔たちに抵抗を続けるのだった。マリアもまた、不安と恐怖を抱えながらも、持ち前の能力を活かし、新たな仲間たちと日々を生き抜いていた。そんなある日、はぐれていたZOOメンバーの生存情報が!?地獄と化した世界へ踏み出すマリアを待ち受けるものとは!?―。



12時半くらいから読み始めて、ちょいちょい休憩とかも挟みつつ、3時45分くらいに読み終わりました。
正味3時間くらいかな。
前回よりもページ数が少なかったのと、16巻みたく感想書き綴りながら読んだりしなかったので、割とあっという間でした。
もちろん、同じくらいのページ数の文庫本より時間かかってると思いますが。

自分の中で色々整理しがてら、ネタばれまくりの感想を書いてみようと思うので、気になる人は続きから!
自己責任でオナシャス(`・ω・´)

三浦しをん「舟を編む」


「なぜ、新しい辞書の名を『大渡海』にしようとしているか、わかるか」
(中略)
「辞書は、言葉の海を渡る舟だ」
 魂の根幹を吐露する思いで、荒木は告げた。「ひとは辞書という舟に乗り、暗い海面に浮かびあがる小さな光を集める。もっともふさわしい言葉で、正確に、思いをだれかに届けるために。もし辞書がなかったら、俺たちは茫漠とした大海原をまえにたたずむほかないだろう」
「海を渡るにふさわしい舟を編む」
 松本先生が静かに言った。「その思いをこめて、荒木君とわたしとで名づけました」
 きみに託す。声にはしなかった言葉を聞き取ったのか、馬締は円卓から両手を下ろし、姿勢を正した。
「見出し語の数は、何万語を予定していますか。『大渡海』の特色は。詳しい話を聞かせてください」
(P26、27より)



玄武書房に勤める馬締光也。営業部では変人として持て余されていたが、人とは違う視点で言葉を捉える馬締は、辞書編集部に迎えられる。新しい辞書『大渡海』を編む仲間として。定年間近のベテラン編集者、日本語研究に人生を捧げる老学者、徐々に辞書に愛情を持ち始めるチャラ男、そして出会った運命の女性。個性的な面々の中で、馬締は辞書の世界に没頭する。言葉という絆を得て、彼らの人生が優しく編み上げられていく―。しかし、問題が山積みの辞書編集部。果たして『大渡海』は完成するのか―。
そんな話。

「編む」という単語を「舟」に組み合わせタイトルに持ってきたこと、
「大海渡」の名前に込められた思い、
本の装丁の意味、
読み手であるわたしたち、本が好きな人たちに向かって挑戦のように、たきつけるようにぶつかってくる「言葉の奥深さ、言葉をとことん愛する人たち」の輝き…
どれをとっても小気味よく、ああセンスがいいなーとしみじみしました。


2012年本屋大賞ノミネート作品です。
作者の三浦しをんさんは、突飛で楽しいエッセイと、「そこに目つけます!?」と毎回びっくりさせてくれるテーマ選び、そしてちょっと気取った文章が魅力の大好きな作家さんです。

三浦さんのちょっと変わったテーマの小説と言えば、今までにも

「仏果を得ず」⇒文楽(人形浄瑠璃)
「風が強く吹いている」⇒箱根駅伝
「神去なあなあ日常」⇒林業

等がありました。

こうしてみると、三浦さんがいかに多方面に興味を持っているか、面白さを見いだしているのかが分かって面白いですね。
特に文楽については、「あやつられ文楽鑑賞」というエッセイでも熱く語っているほどです(´ω`)
三浦さんの取材の風景とか、どんな人を取材して物語が紡がれていくのか、すごく興味があります。
そういうエッセイが出たらいいのになあと思っていたら、どうやら「ふむふむ―おしえて、お仕事!」というエッセイがあるそうですね。早速チェックしてみないと(`・ω・´)


本を読み終えると、自然と“自分の好きなモノ”について振り返っていました。
一切の妥協もなく、わたしはわたしの大好きなものに向き合えているのかな。仕事でも、プライベートでも。
そうやって自分に対して、そして自分の好きなことに対して絶対の自信がないからこそ、
紙に、文字に、収まりに、自分のすべてをぶつけ緻密な作業を積み上げるモノづくりの姿勢が、美しく、眩しく、少しだけ痛かったです。


本屋大賞、ぜひ「舟を編む」に獲って頂きたいですねー!ヾ(*´Д`*)ノ

百田尚樹「プリズム」



 男の子が「お金も落として、たこ焼きも落として――」と言うのが聞こえた。見ると、女の子の足元にたこ焼きが容器ごと落ちていた。女の子はずっとしくしく泣いていた。どうやら、たこ焼きを落とす前に、お金も落としていたようだった。
 私はたまらなくなって、声を掛けるために近寄ろうとしたが、卓也がそれを押しとどめた。
「よくあることだよ」卓也は言った。「何もすることはない」
(中略)
「二百円しか持ってないんですけど、二百円分だけ売ってくれませんか」
「うちは一人前、五百円だよ」
 男の子は「ごめんなさい」と言ったが、女は不機嫌そうに手を差し出した。男の子はおずおずと女の掌に二百円を置いた。女は無言で小銭を箱の中に放り込むと、二人前のたこ焼きを男の子に差し出した。男の子は首を振ったが、女は妹に無理やり手渡した。そしてびっくりして立ち竦んでいる二人に向かって、早く立ち去るように、というふうに手を振った。兄妹は小さな頭を下げて、屋台から離れていった。私は驚いて若い女を見つめていた。
「ぼくらもたこ焼きを食べようか」
 不意に卓也が言った。私がうなずくと、卓也は茶髪の女に、「たこ焼き、二つ」と言った。
 女が二人前のたこ焼きを卓也に渡すと、卓也は五千円札を出した。女が釣りを渡そうとすると、卓也は「手がふさがってるから、釣りはいいよ」と言って、素早く屋台から離れた。
(P175〜177より)



主人公の聡子(※美人な既婚者)が家庭教師として赴いた世田谷のふるーくて馬鹿でかーい家で、会うたび人が変わったように振る舞う不思議な青年(※イケメン)と出会い、恋に…?落ちて…?って話。


「永遠の0」で読者の心をわし掴みゆっさゆっさと揺さぶってくれた百田尚樹さんの「初の恋愛小説」。
解離性同一性障害――通称“多重人格”――について、本当に綿密な取材を重ねたんだろうなぁとうかがわせるような構成力と、多重人格者との恋愛なんていう野次馬的好奇心をくすぐりまくってくれる美味しい展開にすっかり魅せられ、読み込んでしまいました(笑)

聡子と卓也が夜の公園でちゅーするところが、なんかえらいどきどきしたなぁ。
恋愛小説を読んできゃーきゃーすることはあるけど、鼓動が本当に早くなることって実はとても稀だから、びっくりしました。

しかしこの聡子さん、かなりの曲者でしたよ。苦手な人は苦手なキャラクターかも。
自分の美しさに対しても意識的で、偶然卓也(広志)がイケメンだったから良かったものの、もし彼の見た目が良くなかったとしたら、あんた惚れてなかったでしょ!?と勘繰ってしまうのは、わたしだけでしょうか(笑)
かつ、いざ恋愛となったら普通夫に対する罪悪感とかや不倫に対する躊躇いがありそうなものですが、全然ない!潔いと言えばそうなのですが。
夫ったら博識キャラで多重人格について色々議論を展開してくれるありがたい存在だったのに、後半空気だったもんな!(笑)


不倫というのはあくまでスパイスで、というか恋愛すら物語を盛り上げるためのスパイスにしか過ぎなくて、

多重人格とはどういうものなのか?
多重人格の定義とは何なのか?
誰しも少しくらいはそういう部分があるのではないか?
だとしたら“人格”とはなんなのか……?

そういう問いをとことん突き詰めてやろう。百田さんのそういう意気込みを感じました。

この作品は今年の本屋大賞ノミネート作品ですが、果たしてどうなることやら?





以下、一度読んだだけじゃ忘れてしまうだろう、けれど覚えておきたい事のメモです。自分用!

・多重人格は二十世紀に生まれた病気。
・ビリーミリガン事件(連続婦女暴行と強盗で裁判にかけられたビリーミリガンが多重人格である事が判明し、無罪になった事件)をきっかけに、自分も多重人格者かも!と言い出す人が急増。
・暗示にかかりやすい人が思い込んじゃった一種の流行なのかも?
・アメリカは精神分析を気軽に行うけれど、過去のトラウマに原因を求める誘導尋問になってしまうこともあって、その結果医者の思い込みで多重人格と診断されているという可能性もある。(医原病)

薔薇マリ企画と拍手のお返事

  • 2012/03/09 00:25
  • Category: 雑記
最近忙しくて本も読めなきゃツイッターすらつぶやけない状況が続いています。
久しぶりにブログのアクセス解析覗いたら、「薔薇のマリア 17巻」で飛んでくる人がすごくたくさんいてびっくりしました。
みんななんだかんだいって薔薇マリ好きだな!


17巻が4月に発売されますが、その販売促進というか、発売記念というか、いつもながらの応援で、
色々企画しようと思っていたことはあったのですが、いかんせん時間が、ない!
平日は仕事で、休日はなんだかんだ土日共に予定が入っちゃったりしていて…(つд`)
なんとか隙間を見つけつつ、今考えている企画(というほど大仰なものではないですが)を実行していきたいと思ってます。


16巻が出たときには、「新刊を買って秘密のページにアクセス!」キャンペーンというものをやってみました。
これは、薔薇マリ16巻(もしくは最近買った薔薇マリ関連の何か)の写メをわたしに送ってくれたら、
このキャンペーン限定でしか見られないコンテンツが見られます!というものでした。
一冊でも多くの本が売れるよう、きっかけにもならないとは思いますが、そういう思いを込めてサイトを作りました。


このキャンペーン、反響の割に私の用意したコンテンツがあまりに貧相なのが申し訳なくなるくらい、多くの薔薇マリャーの方々から反響を頂く結果となりました。

ちなみに、キャンペーンの参加受け付けは「17巻が発売されるまで」と告知しています。
つまり、4月1日まで!
興味がある方は、こちらのページを読んでみて下さい⇒http://sunset--rise.com/redrose_kokuchi.html
(返信は手動なので多少時間がかかりますが、ご了承くださいませ!)




最後に、拍手のお返事です!

あやこさん
拍手ありがとうございます!
あやこさんの書きこみを見て、「ああキャンペーンについて最後にもっかい告知しておこう」と思い、今日のこのブログとなってます。有難うございます(´ω`)
あやこさんに限っては、4月1日以降もご応募受け付けますよ、特別に!(笑)
それと、一つ目に書いていただいたコメントはご希望通り削除しておきました。
対応が遅くなってしまってごめんなさい(><)

與儀さん
こんばんは!
ブログにコメントを残すって結構面倒でハードルのある作業だと思いますが、温かいコメントまで頂けて、本当に嬉しいです。
わたしの身近な友人は誰一人「薔薇のマリア」を知らないし、読んだことのある人もいないので、こうしてネットの片隅で愛を叫んでいるのですが、こうして薔薇マリャーの方々とお知り合いになれて、楽しいですね。
ブログやサイトを運営する、すごく確かなモチベーションです(´ω`)
また気が向きましたら遊びに来ていただける嬉しいです!
さっきから嬉しいです!しか言ってませんが、本当なんだから仕方ない!(笑)
拍手ありがとうございましたー!

薔薇のマリア17巻、発売日出ましたっ

「薔薇のマリア 17.この痛みを抱えたまま僕らはいつまで」
4月1日発売!!

http://www.kadokawa.co.jp/lnovel/bk_detail.php?pcd=201010000062

ですね。


薔薇のマリアは、わたしがここ数年出会った小説の中でダントツで愛おしく、応援したくなる作品です。
このブログに偶然遊びに来てくれて、他の本の感想を読んでくれて、もしも「おっ、こいつとは何となく本の趣味が合うな!」と思ってくれる方がいたら、もう無料でプレゼントしたいくらい!住所教えてくれたら着払いで送りたいくらい!(笑)色んな人に読んでもらいたい、知ってもらいたい作品です。

法律の存在しない金と欲望渦巻く“サンランド無統治王国”の首都エルデンを舞台に、美しさと頭の回転だけが取り柄の性別不詳の主人公マリアローズが、モンスター相手にダンジョンに潜りお宝探しをしながら、ようやく出会うことが出来たかけがえのない仲間たちと絆を深めながらも、トラブルに巻き込まれていく…。


というストーリーの、ライトノベルです。(ちょうざっくり)


ライトノベルに馴染みがない人でも、

  • ファンタジーが好き。

  • ゲームでいうとRPGが好き。

  • 一方的に好き好き好きって言われる展開が来るとニヤニヤする。

  • ハリーポッターとか、童話物語とか、作りこまれた世界観にわくわくする。


これらの中でひとつでも当てはまるものがあれば、楽しめる作品だと思います。

ライトノベルにありがちな(といったら少し失礼かもしれませんが)「萌え」とか「安易な」っていうイメージとは無縁で、むしろ陰惨で、重くて、ぐろくて、えろっちい作品です。

好きが高じて(というか、一人でも多くの方に作品を知ってもらいたくて)ファンサイトのまねごともしてみたり。

Rosen+Garden|薔薇のマリア非公式ファンページ|Sentimental+Sunset_convert_20120229232028


初めての方の為に、「薔薇のマリアってなに?」というページも作りました。


あああ4月1日が待ちきれないなー!
4月1日って日曜日だから、ゲットしたら一日どっぷり読んでられるなー、幸せ!
今から3月31日と4月1日のスケジュールはばっちり空けておくんだぜ(`・ω・´)

桜庭一樹「荒野」



「なんだい、それは」
 怒ったような声でつぶやいたので、荒野はびっくりして、お吸い物が入った塗りの椀を落っことしそうになった。パパはあまり人の着ているものやなにやらを見ていないと思っていたのだ。
「なにって、マニキュア。江里華が、今日ね」
「すぐに落としなさい。君にはまだはやいよ」
 荒野も蓉子さんも、あっけにとられてパパを見上げた。蓉子さんの口のほうが大きめにぽかんと開いている。
 不機嫌そうに言い切ったパパが、つぎの瞬間、
「だって、それはまだ、早いだろう」
 とつぶやいてこんどはあからさまにうなだれたので、荒野は急いで立ちあがった。蓉子さんとの連繋プレーで、どこからか、リムーバーなる液体が入った小瓶を持ってかけてきた。
(中略)
 この奇妙な家で、放し飼いの猫のように暮らしながら、荒野はほんのときどきこうやって、自分がパパに愛されていることに気づくことがある。
(単行本P274、275より)


鎌倉で、蜻蛉のような(えっちぃ)恋愛小説家の父を持つ山野内荒野十二歳が、周りの大人の暗く湿った情愛や、慣れない中学校生活にびびりながら成長していく青春小説。
文庫三冊が一冊にまとまった単行本でした。
(特設サイトもあるよ!⇒http://www.bunshun.co.jp/kouya/index.html

桜庭さんにしては(というと失礼?)真っ直ぐな物語だったなぁ、というのが一番に思った感想です(笑)
主人公である荒野は、名前こそ一風変わっているし、父親は結構どうしようもない人間ですが、確かに父に愛されているし、彼女を大事に育ててくれる家政婦もいます。
学校でも大切な友人が出来るし、素敵な出会いもあるし、もうほんと真っ直ぐ。
でもこれは桜庭さんの小説だし、いつ荒野ちゃんが暴漢に襲われたり、頭のおかしくなったお父さんの愛人が襲ってきたりするんじゃないか…!?とどきどきしながら読んでしまいました(←たぶん楽しみ方違う)。
そういう意味では少し拍子抜けでしたが(笑)
荒野と悠也の恋だとか、中学高校の日々が何とも素敵で、きらきらしかったです。


印象的だったのは、荒野が友達とみんなでえっちなビデオを鑑賞した時のシーンw
わたしもそういうイベントがあった!という訳ではなく(むしろそういうのはない青春時代でした(笑))、荒野の心境に、響くものがあったから。

「いやいやじゃなくて、いまいやなことが、いやじゃなくなるんだよ。だってああいうことをしないと子供ができないんだよ。荒野、いつかママになりたいんでしょ」
「うんと。でも」
「好きな人もしたがるよ」
「でも!」
 反論が浮かばないけれど、黙ってしまうけれど、でも、ちがう、という気がする。いまいやなことは、大人になってからも変わらない、という確信が荒野にはある。鈍感になったりしない。きもちわるいはずのことを、急に平気になったりしない。空想の中でカフェに座っていた、あの大人になった荒野は、毅然としていて、あんなきもちわるいことはしないはずなのだ。
 そういう確信が、いま十四歳の荒野には、あるのだ。
(単行本P286より)

わたしが思春期の頃に“それ”を嫌悪した思い出があるとかではなく、わたしにも「自分はこう思う、大人になったとしてもこういうことは絶対にしたくないし、しないだろう」という“確信”めいたものがあったことを、揺さぶられるように思い出したのでした。しかし悲しいことに、その確信は何に対してだったのか、はさっぱり分からないのです(´・ω・`)

ただ、幼い頃のわたしが抱いていた自分に対する確信と自尊心は、今も心のどこか奥の方でひっそりと眠っていて、荒野とその友人たちの眩しさに束の間目覚めるのを感じました。
懐かしいような、もう去ってしまった日々を寂しく悲しく思うような、ちょっとネガティブな感情が去来して、「自分は大人になってしまったんだなぁ…」としみじみしてしまいました。
しかし精神状態は、中高生の頃と何にも変わっていないんだよなぁ…。
荒野が見たら「何て情けない大人」って思われてしまいそう(笑)

桜庭さんにしては珍しく、地名が具体的に出てきて面白かったなー。
山野内家のある「今泉台」も、どうやら実在するよう。特設サイトには、鎌倉マップもあって楽しいです。行きたい!
後は、夏祭り。いいですね、浴衣を着て、待ち合わせをして、屋台で買い歩き…。
作中で着物や浴衣が出てきたので、なんかそういう日本の文化的なことしたい!とやたら刺激されました。
次の夏は、浴衣が着たいなー。

アゴタ・クリストフ「悪童日記」

悪童日記 (ハヤカワepi文庫)


一人が罵る。
「こん畜生!けつの穴!」
 もう一人が罵り返す。
「おかま野郎!卑劣漢!」(単行本P27より)


第二次世界大戦中のヨーロッパの小国(ハンガリーとされている)の国境にある小さな町を舞台に、都会から疎開してきた双子の少年(しかも美少年)が“魔女”と恐れられる祖母と共に過ごす日々を淡々と寸劇調に語る短編集。

淡々とした文体と寸劇のような短編、少年たちのしたたかさ、見え隠れする彼らの心情、戦争の理由も背景も何も知らない少年の目を通して語られる“あの時代”、人々がどのようにして生きたのか…等々、
言葉にするのも陳腐な気がしてはばかられるくらい、魅力にあふれた本。
傑作です。素晴らしいです。読んだことのない人には、買って配ってあげたくなるくらい、すごいです。


<大きな町>に両親と共に住んでいた双子(名前は最後まで知ることができません)は、田舎に住む母親の母親、つまり祖母の家に疎開でやってきます。
祖母は町中から”魔女”と噂されるケチで貧乏で偏屈、当然双子のことを労働力としてこき使いまくります。
双子は祖母を手伝い働き続ける毎日の中で、体を鍛え、精神を鍛え、勉学に励みます。
ここまで書くと、とても優等生で健全なように思われますが、彼らの精神は計り知れないほどの深みにあり、それがとても魅力的なのです。

例えば体の鍛錬。彼らはお互いを傷つけ、なぐり合うことでどんな痛みにも耐えられるようになります。
例えば精神の訓練。どんな汚い言葉をぶつけられても心が揺らがぬよう、冒頭に書いたようにお互いを罵り合います。

「私の愛しい子!最愛の子!私の秘蔵っ子!私の大切な、可愛い赤ちゃん!」
 これらの言葉を思い出すと、ぼくらの目に涙があふれる。
 これらの言葉を、ぼくらは忘れなければならない。というのは、今では誰一人、ぼくらにこの類の言葉をかけてはくれないし、それに、これらの言葉の思い出は切なすぎて、この先、とうてい胸に秘めてはいけないからだ。
 そこでぼくらは、また別のやり方で、鍛錬を再開する。
 ぼくらは言う。
「私の愛しい子!最愛の子!大好きよ……けっして離れないわ……かけがえのない私の子……永遠に……私の人生のすべて……」
 いく度も繰り返されて、言葉は少しずつ意味を失い、言葉のもたらす痛みも和らぐ。
(単行本P28)


また、愛の言葉も自分たちには、生きていくには不要だと考え、言葉が擦り切れるようお互いに愛をささやきあいます。
そして、勉学。彼らは決して神に祈ることはしませんが、単語や暗誦の練習の為、聖書を読み、作文を書きます。
その作文をまとめたものこそが、「悪童日記」という一冊の本なのです。
彼らの透明な(決して無垢、と表現することは出来ないでしょう)目を通して描かれる人々や時代が胸に痛く迫ります。
とても興味深く、少し寒気がして、悲しくて眉をひそめてしまう、なのに絶対に本を手放すことは出来ない。
そんな作品です。


善も悪も何もなく、日々を生きる為に出来ることは何でもする双子が、時折見せる行動がとても興味深かったなぁ。
死んだ兵士から銃や手榴弾を奪って武装し、必要だと思えば食料や物資を他人に分け与え、躊躇わず殺す。
善も悪も倫理もなく、ただ生きるために、強く生きるために。
現代にはもう存在しえないだろうけど、あの時代なら存在したのかもしれない異様な双子の異様な小説。
もうほんと、おすすめです。

※続編と続々編があり、続きが読みたくなるラストが待ち受けているので、読む場合は三冊用意することを激しくおすすめします!(´q`)

神永学「心霊探偵八雲 赤い瞳は知っている」


「鍵を持たずにオートロックの部屋から出てしまうような間抜けに言われたくないね」
 口で八雲に勝てるはずもなかった。八雲は大きなあくびをして晴香に背を向けると、突然シャツを脱ぎ始めた。
「ちょっと、何してるの?」
 あわてた晴香が身を乗り出す。
「何って、着替えに決まっているだろう」
 あきれた。何て無神経なのだろう。
「女の子のいる前で着替えを始めるなんて、いったいどういう神経しているの?」
 晴香は胸に納めておくことができずに声に出した。
「言っておくが、ここは僕の部屋だ。何をしようと僕の勝手だ。男の部屋に勝手に忍び込んでおいて、偉そうに言うな」

単行本P231より



テレビドラマ、アニメ、舞台、ドラマCD、コミックス…
メディアミックスされまくっている大人気シリーズ「心霊探偵八雲」を読んでみました。
(ところで、読むまでずっと”心理”探偵だと思ってました(笑))

学内で幽霊騒動に巻き込まれた友人について相談するため、晴香は、不思議な力を持つ男がいるという「映画同好会」を訪ねた。しかしそこで彼女を出迎えたのは、ひどい寝癖と眠そうな目をした、スカした青年。思い切って相談を持ちかける晴香だったが!?女子大生監禁殺人事件、自殺偽装殺人…次々と起こる怪事件に、死者の魂を見ることができる名探偵・斉藤八雲が挑む、驚異のハイスピード・スピリチュアル・ミステリー登場。


あらすじはこんな感じ。
プロローグから始まり、短編が3話収録されています。
わたしは単行本で読みましたが(↑には文庫版を貼っています)、文字も大きめだし行間も結構空いていたし、
全体的にライトなノリなのであっさり読めると思います。


見どころは、主人公である八雲がぶっきらボーイである、これに尽きる(`・ω・´)と思います。

生まれつき赤い瞳を持つ左目には幽霊が移り、そのせいで母親にも疎まれ父親には会ったこともなく、
孤独と性格のひねりを抱えて日々をのんべんだらりと引きこもりながら過ごしていた…という設定。
これは良いぶっきらボーイ(´q`)と思わずにやにやしてしまいました(笑)

そしてヒロインである晴香ちゃんは、毎回「おいおい…」と思うくらいかわいそうな目に遭ってますが、
お節介でおしゃべりで心優しく、つまり生粋の元気っ子。
そんな晴香ちゃんを八雲はクールにあしらいつつも、彼女が危険に巻き込まれそうになると頑張って助けちゃうんですよね!
基本的にはミステリーチックなライトノベルだと捉えていますが、八雲と晴香ちゃんの進展が大いに気になるシリーズです。

ところで、作者のホームページに行くと八雲シリーズの絵が色々見れたりするんですが、
おいおい八雲ったらめちゃくちゃイケメソじゃねーの…!とびっくりしてしまいました。
単行本のイラストだけだとただの雰囲気イケメンそこまでではなかったのですが、
特にコミックス版と、あとアニメのイラストはかなりいい感じなので、気になる方はチェックしてみてください(´ω`)

神永学オフィシャルウェブサイト⇒http://www.kaminagamanabu.com/


ライトなノリだしぶっきらボーイと元気っ子の恋愛(?)も気になるし、今後も楽しく読めそうです。

ただひとつ誤算だったのが、絶賛刊行中だったということ。
数年前にブームというか、メディアミックスがされてた印象だったのでもう完結してるだろ、と思っていたのですが、
2012年には9巻が発売予定(オフィシャルサイトに書いてありました)だそうで…。
続きものは途中でついていけなくなってしまう(流れを忘れてしまうので(´・ω・`))ことが多いのでちょっと心配ですが、
とりあえずはマイペースに読んでいこうと思っています。

桜庭一樹「ファミリーポートレイト」


 ママは力無くあたしに笑いかける。その顔に、お願い、わたしを捨てないで、と書いてある。あたしの胸に、また刃物で刺されたような穴が開いてドッと血が流れる。捨てられるはずがない、子どもに親を捨てられるはずがない。たとえどんな親でも。愛さずにおられるはずがない。それがあたしたち、子ども、という生き物の本能。あらかじめそうされてこの世にやってきた。あたしがあなたをこんなところにおいていくはずがない。なにがあっても、この世の果てまで連れ去られても、一言だってあなたを責めるはずがない。否定するはずがない。安心して。そんな不安そうに、眉間にしわなんて寄せないで。この先も、ずっといっしょよ。
 呪いのように。
 親子、だもの。

単行本P163より



重くて、悲しくて、グロテスク。
だけど、だからこそ、読む人をひきつけてやまない熱量をもっている作品です。

主人公は母と子の、マコとコマコ(眞子と駒子)。若く美しい母と、言葉のしゃべれない子供。
マコにとってコマコはちいさな神さまで、コマコにとってマコは世界のすべて。
そんな二人の幸せで、苦しくて、残酷で、不思議な逃避行の物語。

物語は一貫してマコの娘であるコマコの視点で描かれています。
冒頭ではコマコは五歳。五歳から○○歳までの記憶をコマコが語るという形式で、前半はマコとコマコの逃避行が幻想的に描かれ、後半では………うーん……ここは何を言ってもネタバレになってしまいますね(笑)省略します。


ネタバレはなるべく避けたいので、今回は前半部分にフォーカスして書いてみることにします。
先ほども書きましたが、この物語は一貫してコマコの視点で描かれています。
それにより物語の前半、つまりコマコの幼少期は、必然的に物語の輪郭がぼんやりとしているんです。
つまり、現実世界と妄想に境界線があったとして、その線上を、あっちへ行ったりこっちへ行ったりするような雰囲気です。
自分が読んでいるこの場面は、本当にあったこと?
それともコマコの妄想?幻覚?
物語のスパイスでもありますが、はっきりしろよ!と言いたくなるかもしれません(笑)

ひょっとすると賛否両論な描き方かもしれません。
(しかも特殊な環境に育ったコマコの感性自体もちょっと特殊で妄想や幻覚が入り乱れ、かつそれが結構グロテスクだったりするんです(´q`))
ですが、自分の五歳の頃の思い出を今小説にしようしても難しいですし、輪郭がある程度ぼんやりしている方がリアルで当然だと、わたしは読んでいて感じました。


ちなみに、わたしは逃避行パートを読んでいて「ぼくとアナン」「アナン、」を思い出しました。


左側の「ぼくとアナン」は右二冊の「アナン、」を子ども向けにアレンジしたもので、大筋は同じです。
人生に絶望し、死のうと思った初雪の日に、ホームレスのナガレはゴミ捨て場に居た赤ん坊を拾います。
思わず保護しちゃったものの、俺ホームレスだし…でも赤ちゃん泣いてるし…どーするよ、俺!?そんな物語です。
偽物の親子の絆が温かく、切ない、ぜひ読んでいただきたい作品です。

サイトで特集も組みました(*´ω`*)⇒http://www.sunset--rise.com/a.html


1ページあたりの文字数が多めなのか、結構肉厚というか、読んでも読んでもまだまだある!という絶望と喜びが混ざった感じを味わえる作品だと思います(笑)
逃避行パートは割合短く、「え、もうここでこうなっちゃうの?」と思うかもしれません。
(想像力のある方は、あと桜庭さんの作風をご存じの方は、これだけでどんな展開になるか予想できちゃうかもしれないですね(笑))


しかし、わたしが本当に面白いと思ったのは後半部分。
一番初めに「熱量」という言葉を使いましたが、この本は簡単に「魅力がある!」と言い切れないというか、
「魅力」よりも「熱」の方が的確な表現なんじゃないかと思いました。

コマコが世界に、神さまに怒り、声を上げ、雪玉の中に石を隠してぶつけるが如く叫ぶその熱が、読んでいてじわじわとわたしの体にも沁み込んでいくようでした。
母が確かに世界の大部分を占めていた、家族という小さい世界の中で生きていた幼い頃の自分が声を上げて震えるような…今の自分ではないけれど、わたしの一部分というか、内側の一箇所が打たれるような、そんな感覚を味わいました。

“ちいさな神”から一人の人間になってしまったコマコ。
学校なんて一度も通わず(だって恐らく戸籍がないから!)、母親のマコのためだけに生きていたコマコが、大人になってどのような人生を歩むのか…
少しだけネタバレすると、どこまでも深読みしたくなる職業を、偶然なのか必然なのか、選ぶことになります(´ω`)

母親であるマコだけがいつまでたっても世界のすべてで、こんなに人を愛することはこの先決してないだろうと、幼いころからはっきりと知ってしまっている。
そんなコマコの人生を、誰も幸福だとか不幸だとかでは決められないのでしょう。

年始から、とても濃密で読み応えのある、素敵な小説を読むことが出来ました。ひゃっほう!

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